【インタビュー/後編】黒川実咲さん (チェロ奏者)



こんにちは。「水曜日のクラシック」代表の五十嵐紅です。

今回は水曜日のクラシックvol.21『初夏に聴く、ラテン音楽』に出演する、チェロ奏者の黒川実咲(くろかわ・みさき)さんにインタビュー。ソリスト・室内楽などで様々なコンクールで入賞し現在は各地でオーケストラでの客演や名だたる奏者との室内楽のほか、MeiM(アコーディオン・チェロのユニット)でアルバムをリリースするなど精力的に活動している奏者です。僕とは同い年(1991,92年生まれ)で、4度目の共演です。笑顔の絶えない、明るく元気な黒川さんの音楽のルーツや興味を探ってみました。

----使ってる楽器を教えてください。

Mauro ghio (2002) クレモナ製
弓:福田弓人(2017)
弦:ヤーガーのスペシャル(A/D)、タングステン(G.C)

チェロ:ghio
高1の頃から使っている楽器、クレモナの職人さんに紹介していただいた。

弓:福田弓人
私が尊敬する山崎伸子先生にご紹介していただき購入しました。チェロらしいあたたかく優しい音色の出る弓で、先生が持っている福田さんの弓にも似ています。


----演奏で気をつけていることはありますか?


質問の答えに合っているかわかりませんが、今って、いつどこでも携帯などデジタルで手軽に音楽が聴けるじゃないですか。参考にするのはいいけど、聴いている音は結局、生音ではなく電子音なんですよ。自分の理想の音を高く持つことを気をつけています。昔の人のすごいところは音に対する情熱がすごい。きっと今みたいに、何でもすぐには手に入らない。調べるのだって一苦労。楽譜だって、手作業で写譜してた時代ですよ。それから人間的な感情表現も大事ですよね。海外の人は表現の振れ幅も強く歌心がある方が多いですが、皆さん普段から感情が豊かな印象を受けます。


----黒川さんにとってクラシック音楽の魅力とはなんですか?


楽譜から本当に色々な解釈をすることができて、楽しいですよ。答えが一つじゃないです。

何故ここにこの音を、このメロディーを書いたのか、とか、作曲家の気持ちや考えや意図を時代背景などを含めて、自分なりに紐解いていくことで作曲家と会話する。亡くなった作曲家とは残された楽譜でしか会話ができないから。

私はベートーヴェンに苦手意識を持っていた時期があったのですが、自筆譜を見て意識が変わりました。


----(ベートーヴェンがぐしゃぐしゃに書き直した後のある直筆譜の画像を見せてくれた)本当に悩みながら書いてたのかなあ・・・(笑)


ベートーヴェンの自筆譜って、人間的で好き。で、これ見た時に、あ、ベートーヴェンも人間なんだなーと思ったの。

シューマンのチェロ協奏曲を勉強していた時は主観的に弾いてはいけないと思いつつ、共感して自分も鬱っぽくなっちゃったり(笑) エルガーのチェロ協奏曲を弾いてるときは4楽章で涙と鼻水が止まらなくなっちゃうところがある。入り込みすぎちゃうところが長所でもあり短所ですね。(笑) 


----チェロが趣味の方に上達のコツってありますか?


どうしても大まかに通し練習をされている方が意外と多いような気がします。気持ちはわかるんですが(笑)、一つ一つを大事に弾くことが大切だと思います。鬼な練習方法としては、10回いい音で弾く。少しでも間違えたら振り出しに戻って1回目から弾く。弾けるようになったらパズルのようにつなげていく。時間かかるけど近道です。ゲーム感覚で、楽しくできそうな練習方法を見つけて欲しいです。

そしていい演奏をたくさん聞く。いい音を知らないと良い音は出ないと思うから。。生演奏も絶対に聴いた方がいいですね。

それから、音楽家としても人としても恩師である倉田澄子先生は、鏡を使って練習することをお勧めしていました。チェロじゃない方も、とても参考になるお話かなと思うのでお裾分けしたいと思います。(笑)


----日々の生活で気にしていることはありますか?


自然体でいれるように生活している。いいことも悪いことも、楽しいことも悲しいことも、全て自然体で受け入れられるように。相手も自然体で入れるように、と思っています。


(おまけ)

----好きな食べ物は何ですか?

お肉ですー。(笑) 赤身、生肉、ホルモン、毎日のようにお肉食べてます。(笑) 食べてるの見たことあるでしょ?

----ある(笑) クラシック以外で好きな音楽はありますか?

最近はjazzばっかりかなあ。あとはアコーディオンと演奏しているのでガリアーノ(アコーディオン奏者)のCDをよく聞いています。


----音楽以外の趣味はなんですか?

お酒を飲むこと(笑) 甘いお酒以外、ウイスキー・日本酒・焼酎・ワインが好きです。

あとはドレスを探すこと、洋服が好きですね。


----今後の夢はありますか?


海外で学びたいとずっと思ってます。行ってみたいのはフランスだったのですが、ウィーンとかザルツブルグもいいって話を聞きますね。行ったことがないから行けたらいいなと思ってます。ロシアも良いですね。


----今回のコンサートの意気込みをお願いします。


ラテン音楽大好きです。音一つ一つに怒りと憎しみと悲しみと喜び、憂いが詰まっている音楽だと思う。一つの音で全部味わえる、そんな音を感じれる音楽が一時間で聴けるのでとても人間的な時間を過ごせると思います。特にピアソラのアベマリアはオススメです。


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『チェロとギターの熱く香り高い音楽』

水曜日のクラシック vol.21
《初夏に聴く、ラテン音楽》
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2018711()
19:00-20:00(18:30open)
hall60(原宿駅より徒歩6)

チケット(前売)
一般 3,000/ペア 5,500



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黒川実咲 #チェロ
五十嵐紅 #クラシックギター

○プログラム

ヴィラロボス:ブラジル風バッハより
ピアソラ:アヴェ・マリア
ファリャ:スペインの7つの民謡
グラナドス:アンダルーサ
ゴダール:ジョスランの子守唄



ほか



チェロ 黒川実咲(くろかわ みさき)




1991年愛知県出身。愛知県立明和高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部卒業。桐朋学園大学卒業演奏会、読売中部新人演奏会に出演。第9回泉の森ジュニアチェロコンクール高校生以上の部金賞。第67回全日本学生音楽コンクールチェロ部門大学の部第2位。2015年ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール第1位。秋吉台音楽コンクール弦楽器•室内楽部門第3位。これまでにチェロを中島顕、倉田澄子、山崎伸子の各氏に師事。小澤国際室内楽アカデミー奥志賀、小澤征爾音楽塾、サイトウ・キネン・フェスティバル、秋吉台室内楽セミナー、飛騨室内楽セミナー、プロジェクトQに参加。平義久先生没後10周年記念演奏会、日本橋三井タワーアトリウムコンサート、 東京・春・音楽祭、北九州音楽祭、宮崎国際音楽祭、上海音楽院チェロフェスティバル、伊.ラヴェンナ音楽祭などに出演。2014年クァルテット奥志賀を結成。セイジ・オザワ・松本フェスティバルや、NHK-FMラジオ、『リサイタル・ノヴァ』『ベスト・オブ・クラシック』に出演。(財)地域創造の公共ホール音楽活性化アウトリーチ・フォーラム事業にPiano Trio Minpiaとして参加。オーケストラではゲストフォアシュピーラー、客演として参加するなど意欲的に活動している。2017年7月Piano&accordion奏者 土屋恵とのduo MeiM 1st album『MeiM First』をリリース。







クラシックギター 五十嵐紅


東京音楽大学卒業。第29回ジュニアギターコンクール高校生の部1位、第27回スペイン音楽ギターコンクール第2位ほか様々なコンクールで入賞。ソリストのほか多くの演奏家と共演。日本橋三越「春の宝飾展」や重要文化財明日館などでコンサートを企画・監修。「水曜日のクラシック」主宰。50gt代表。クラシックギターを伊東福雄、江間常夫、荘村清志各氏に師事。